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夏の終わりの葦毛湿原 その3

*8月30日の葦毛湿原の様子をお伝えしましたが、ここで9月9日に行われた、「葦毛湿原再生フォーラム」で聴いた内容について書ける範囲で書いておきます。
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これまでも、遷移が進む葦毛湿原を、生えてくるイヌツゲやヌマガヤを除去しながら小規模で回復作業が行われては来ていました。一方で、そうした作業について違和を唱える動きも見られたようです。そして湿地や里山の管理などで起こりうるであろう、希少な植物生息が、知らずにダメージを与えられてしまったというケースもあった模様です。
とはいえ、遷移が進む状況のままでは良くない、と言うことはほぼ共通懸念であったようです。
葦毛湿原(そして別の場所の希少植物生息湿地)に関して、これまで回復作業に携わった人や、個人で観察してきた詳しく知っている方、この地域の東海丘陵要素と呼ばれる湿地について現地を訪れ研究している専門家の方々、市の文化財保護に携わる豊橋市美術博物館学芸員の方々が集まり、様々な意見交換をした結果、
これまでの方法では、遷移のスピードが進む葦毛湿原の環境が失われることを懸念し、
2013年より大規模な回復作業を行うこととなりました。
内容としては、40年ほど前?の遷移が進む前の湿原の様子が撮影された記録写真くらいの姿を復活させる事のようで、かつては湿原であったけれど、現在は森林化された場所などを大規模に伐採を行うことから始まり、4つの段階にまで進める計画の様で、一つの段階に5年くらいかかるらしいです。現在は第2段階の途中とのこと。
特徴的なのは、ただ伐採をして終わりなのではなく、かつての植生を構成していた植物の種子が土中に眠っているため、伐採した木などの根元から土壌を取りのぞき、埋土種子を復元した湿地内で発芽するよう促す作業も行っているそうです。
作業毎にどうもとても手間がかかるようです。
勿論、希少な植物等は伐らないよう細心の注意を払っているみたいですね。(時折来ていたときにその様子が分かったので)
最後の段階では湿原内の侵出してきた外来種などを駆除していく内容も含まれているようです。
作業毎に明確な方法は手探り名部分もあるようで、その場合は小さい場を設定し、実験を試み観察しながら行うようです。
目標は、「お気に入りの花を沢山見られるようにしたい」なのではなく、疎林や草地、湿地だからこそ見られた多用な生物を保全していくことなので、作業には多くの専門の方も足を運ばれているようです。
この頃研究が進んでいる保全生態学と考古学の手法を合わせて行い、埋土種子の復活を主眼に置いているようですね。
結果としては、これまでに葦毛湿原で姿を消した植物21種の内、14種の復活が確認できたそうです!
私自身も最近あまり行っていないのですが、、葦毛で生息が見られるミカワバイケイソウが、回復作業の後、勢いを取り戻し、花を付けた個体数が多く見られたことを覚えています。
ただ、一方で、アカメガシワが一斉に出てきたりと、思わぬ結果もあったりするので、本当に手探りな部分はあるようです。
そして、年に1回、復元作業の様子と結果などについて市内でフォーラムを行い、多くの人に普及しながら行っていると行った状況のようです。確か1回目には保全生態学研究者の鷲谷いづみ先生が見えていたようです(この時期行けなかったのですよ;)。
今年は植物分類学専門で、岐阜大学客員教授である植田邦彦先生が講演されていました(元々から東海丘陵要素の湿地植物について研究して見えています)。
フォーラム当日は、意見交換などもあり、その都度美術館学芸員の、一連の計画を取りまとめている方が丁寧に応答されている姿がありました。久しぶりにこうした機会に参加した気がします。
このような取り組みは、以前からもありましたが、実際に取り組みつつ、様子を観察しながら進めていく詳細な方法はあまりなかったのではないかな?分かったことは、良く言われるような「やたら木を切って管理することの無謀さ」の懸念を抱くことですが、そのような要素はむしろ見られなかったことですね。
里山管理でも、このように生態を見ながら、必要であれば行うのであれば(そして内容をきちんと報告する場を持てば)、無用な摩擦などは少なくなるのではないか、とも思います。
勿論、しなくていい場所もあるし、しては行けない場所もあるのだから、こうしたことを見極めるまなざしを持って行くことが大切だと思いますね。
・・・とここまで、分かりうる範囲ですが。
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8月30日はやはりいつもながら1時間弱の滞在で、戻ることとしました。
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をを、この方に出会えたことが、この日嬉しかったですね!
この翌日は伊良湖に行ってきたのでした。

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